FDMY 防災ユースフォーラム


室戸ジオパークと防災(第3回)

投稿者: kurata, カテゴリー: RENSAI✕BOUSAI

柴田伊廣(室戸ジオパーク推進協議会事務局 )

 最終回は、防災学習のこぼれ話として「科学と防災と観光の関係についての試行錯誤」を紹介したいと思います。

ワクワクと恐怖

 ジオパークで働きはじめるまで、私は大学院でプレートの境界で圧力を受けて著しく変形した岩石の研究をしていました。岩石を調べることで、大地の変動の仕組みが分かるのではとワクワクしていました。しかし、地震など大地の変動は、多くの人にとって恐怖の対象です。住民からは、「岩で飯が食えるのか?もっと生きる為に大事なことがあるやろが。」という声があり、私には面白い話であっても観光のネタにならないのではと不安がありました。最近では商品開発や防災教育とジオパークが関わる活動が増え、災害のことを観光客に伝える市民も増えてきています。そのきっかけとなったのは、訪問者からの声でした。

怖いけど知りたい

 私は、月に数回ほど室戸ジオパークの旅の入口と位置づけられた施設で解説員をしています。ある日、訪問者にジオパークの話をしていると、「私たちは地震のことは怖いけど、知りたい。何も知らないことはもっと怖い。地震のことを知って、海岸の岩を見ると動いていることが分かる。」と教えてくださったのです。ジオパークに関わるガイドさん達もお客さんが必要とするからと、災害情報を伝えるようにしているようです。

災害と恵みはセットで

 今では、災害情報と室戸の大地のことや人々の暮らしは同じように説明するのが室戸ジオパークのジオツアーの基本となっています。天然杉を見に行くツアーでは地滑りについてガイドさんが解説しています。また、海岸線でのツアーでは、避難経路について紹介してから案内を始めるガイドさんも居ます。ある室戸市の防災担当者は、「ジオパークの美しい景色や自然や食べ物などの恵みについて話や体験した後で災害の話をすると子ども達は楽しんで話を聞いてくれる。」と言います。

さいごに

 私は観光客や地域の人達に気づかせてもらいながら、ジオパークの中に災害情報を取り入れてきました。そして、これこそ科学情報と地域住民との関わりの最先端ではないかと熱くなっています。ジオパークをただの岩の公園と思わず、こうして試行錯誤しながら科学や災害と地域をつなげるためにチャレンジしている人達が集まっている場所と考えていただけたなら幸いです。

ジオパークの拠点の解説の様子



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